カテゴリ | お湯と風呂文化 |
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発行年 | 2015年10月 |
作成目的 | 気温が低い冬場には、入浴中の死亡者数が急増する。死亡者の多くは高齢者であり、要因のひとつとして、浴室や脱衣室の寒さに起因するヒートショックがあると考えられている。本レポートは、高齢化に伴い、今後関心が高まることが予想される「入浴とヒートショック」について、アンケート調査と温度測定調査の結果からシニアの意識と実態をまとめたものである。 |
内容要旨 |
■半数以上が、「ヒートショック」を知らない。
・ ヒートショックの認知度は44.2%。過半数は知らない。
・ ヒートショックは、温度の急激な変化で身体にかかる負担のことであり、これが血圧変動につながり、脳出血や失神などの症状を発症しやすくなると言われている。しかし、自分がヒートショックにより意識を失ったりする危険性を感じる人は約2割。リスクの高いシニアでも3割弱にとどまる。
■シニアの多くが住む、築20年以上の戸建住宅の浴室は、約8割がヒートショックリスクの高まる「暖房のない浴室」。
・ 築20年以上の戸建住宅は、在来工法の浴室が多い。築年数が浅いほど、浴室に暖房のある住宅が多い。
・ 脱衣室に暖房がある住宅は築年数に関わらず、戸建住宅で約3割、集合住宅で約2割。
■浴室暖房設備がない住宅は、浴室温度と湯温の差が大きく、ヒートショックによる事故が起きやすい環境である。
・ 冬季入浴環境の温度測定の結果、浴室暖房設備のある人は、浴室暖房設備のない人に比べて浴室温度が高く、湯温が低くなっており、浴室暖房はヒートショック対策として有効である。
・ 浴室が十分に暖まっていなくても「寒さを感じていない」と回答した人がいることから、感覚に頼る方法では、ヒートショックが起きやすい環境で入浴する可能性がある。
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サマリー |