食育基本法の成立をうけ、ますます食生活に対する関心が高まっていますが、高齢者の方は食生活においてどのようなことを重視しているのでしょうか。
1位が「栄養バランス」、2位は「1日三食きちんと食べる」で、「おいしさ」といった楽しみの側面よりも、健康的側面を重視している人が多いことがわかりました。3位は「手作りをすること」で、2人に1人は重視しており、手作りに対するこだわりの高さが感じられます。
それでは、「手作り」ではない「中食(なかしょく)」や「外食」等は、どのくらい行われているのでしょうか。実態とそれぞれの行動に対する抵抗感を調査しました。
実態については、「惣菜を買う」「冷凍食品を使う」「外食をする」を月1回以上行なう人は70%を超え、特に「惣菜」「冷凍食品」は週1回以上、日常的に利用している人も多くいました。一方、「炊いたご飯を買う」ことは「全くない」という人が79.8%と大半でした。
抵抗については、「外食をする」「冷凍食品を使う」以外の全項目において、「抵抗を感じる(非常に感じる+やや感じる)」人の割合が、「抵抗を感じない(あまり感じない+全く感じない)」人の割合を上回っていました。特に、実施している人の割合が低かった「炊いたご飯を買うこと」や「買ったものだけ」で食事をすませることに対しては、抵抗を「非常に感じる」人が半数を超えました。
※アンケートは、平成15年度、社会福祉・医療事業団の長寿社会福祉基金事業の一環として、社団法人シルバーサービス振興会から都市生活研究所への委託研究で実施。
都市生活研究所 杉山 智美