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高齢者世代の入浴

都市生活研究所が昨年10月にリリースしたレポート「空間コンセプトVol.2」では、高齢者世代の食空間・浴室空間に着目し実態とニーズを探っており、この中で高齢者の入浴についての実態を報告しています。

高齢者世代は他の世代に比べて浴槽入浴を好み、75歳以上の方でも約8割が年間を通じて浴槽入浴をしています。(グラフC-4)

加齢による健康配慮の高まりとともに、「浴槽入浴は健康に良い」というイメージが後押ししていることが考えられます。


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一方で、入浴の際に体や髪を洗うといった行為については、減少する傾向が見られます。(グラフC-9)
こうした傾向は、インタビュー調査の結果から「おっくうになる」ということが主な理由であることが判っています。加齢に伴う身体機能の低下が一因となり、意識の変化がおきていることが考えられます。


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ここで、洗髪頻度についてもう少し細かいデータを見てみますと、10年前の状況と現在の状況について聞いた2009年調査データでは、世代が上がるほど髪を洗う回数が少ないことがわかります。(グラフC-10)
また、10年前と現在との比較では、現役世代(45歳−54歳)が若干増加しているのに比べ、それより上の世代ではすべて減少しています。特に75歳以上の世代では「それ以下(髪を洗う頻度が入浴3回につき1回未満)」が増加しており、他の世代に比べ洗髪頻度の減少が顕著であるといえるでしょう。


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このような差異は、就業等の社会接点からの身だしなみへの配慮といった、現役世代や予備群層に関わるライフステージの影響が考えられますが、年齢に比例して減少していくことや各世代単位でも過去に比べ減少することから、やはり加齢による身体機能の低下や意識の変化といった影響も大きいことが推測されます。

このような高齢者世代の生活に関わる加齢の影響について、現在都市生活研究所では探索を進めており機会を見てご報告したいと思います。

宮城 禎信

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