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2014年度の見通しは?

 2014年度が始まりました。今年度はある意味、日本人はみんな"新生活"を迎えることになりました。


 この4月からとうとう消費税が8%へ。私はこの変化に実感が湧かないでいましたが、3月末、妻がドラッグストアにトイレットペーパーを買いに行ったところ、1本も店頭に残っておらず驚いたという出来事がありました。トイレットペーパーが手に入るまでの1日間、か細く残ったトイレットペーパー1本を前に切実な生活を強いられ、間接的ではありますが、早くも増税による影響を実感せざるを得ませんでした。


 都市生活研究所では、一都三県在住の方々に、3ヶ月ごとの定点WEB調査を実施しています。今回は、その中から2つの調査結果をご紹介します。


 まず、図1は2010年度~2013年度まで「今後数ヶ月の『世の中の見通し』」について聞いた結果です。


図1 今後数ヶ月の『世の中の見通し』について、どのようにお感じになりますか
図1 今後数ヶ月の『世の中の見通し』について、どのようにお感じになりますか


 2011年4月は、『世の中の見通し』は暗く感じると回答した割合が大きく増えています。【暗い+やや暗い】と感じた全員が2011年3月の東日本大震災を関心事として挙げていました。
 逆に2013年1月は、『世の中の見通し』は明るく感じるとの回答が増え、暗く感じる回答は大幅に減っています。ちょうど2012年12月に第二次安倍内閣発足やアベノミクスの発表などがあり、期待感が高まったのではないでしょうか。

 続いて、図2は2010年度~2013年度まで「今後数ヶ月の『あなたの生活の見通し』」について聞いたものです。


図2 今後数ヶ月の『あなたの生活の見通し』について、どのようにお感じになりますか
図2 今後数ヶ月の『あなたの生活の見通し』について、どのようにお感じになりますか


 世間の出来事で大きく変化している『世の中の見通し』と比べると、『生活の見通し』への影響は小さく留まっているようです。東日本大震災が発生した後の2011年4月の調査では、【暗い+やや暗い】と感じた回答は増えてはいますが、『世の中の見通し』ほどの差はありませんでした。【明るい+やや明るい】ではむしろほとんど減っていません。大きな傷跡を残した震災ではありましたが、その後の復興に向けた様々な取り組みもあってか、一都三県に限って言えば、『生活の見通し』の明るさは保たれています。

 第二次安倍内閣発足後、『世の中の見通し』と同様に目立って上昇傾向だった【明るい+やや明るい】の割合は、2013年7月で一転して下降しました。このとき、【暗い+やや暗い】を回答した方々にその理由を聞いたところ、主に「収入が上がらない」という回答が多く挙がりました。消費税アップや物価上昇が話題に上るなか、景気は上向きと言われているにも関わらず、6月の賞与が増えず期待が外れてしまったことが原因ではないかと考えられます。しかし、昨年度末は多くの企業でベースアップ(基本給の底上げ)の方針が打ち出されました。この影響で次回の調査では「生活の見通し」にも変化が表れるかもしれません。
 ここ数年は今までにない出来事が起こり、『世の中の見通し』を見ると【暗い+やや暗い】が高い割合で増減しているものの、『生活の見通し』では【明るい+やや明るい】が何とか持ち堪えています。
今年度は【明るい+やや明るい】の着実な上昇が続いてくれることを願っています。



足立 昌光

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