外出時のエチケットとして何をしていますか?都市生活研究所で中学生から大学生までの学生男女303人にアンケート調査をしたところ、「身だしなみで気をつけていること」の上位は「髪の毛の手入れ」71%、「口臭」63%、「体臭」61%でした。若い世代の「体臭」への関心の高さがうかがえます。
エチケットの基本である入浴。これまでは1回のシャワー浴の前後での汚れを落とし効果について、温浴よりも大きいことを実験により明らかにしてきました。今回はさらに、朝の時間帯に浴びたシャワー浴の洗浄効果がどの程度持続するのかについて、実験により検証しました。その検証結果と、生活者の体臭に対する意識についてご紹介します。
まず、生活者の体臭に対する意識について調べるためにアンケート調査を行ないました。その結果、「自分の体臭が気になる」ことのある人は全体の約60%、「他人の体臭が気になる」という人は約85%にものぼることが分かりました。
<体臭が気になることがあるか>
体臭は汗・皮脂・角質(垢)が皮膚常在菌によって分解されることで発生します。今話題の加齢臭も加齢によって分泌される皮脂の一成分が酸化分解されて発生します。そこで、体臭の一因である皮脂の朝シャワーによる除去効果に関する実験を行ないました。まず、体の部位ごとの皮脂量の分布を調べ、皮脂量が多かった胸と背中部分の皮脂量の時間ごとの変化を調べました。
その結果、わずか1分間の朝シャワーで、夕方4時まで皮脂量を抑える効果があることが分かりました。朝シャワーは1日の始まりをしゃきっと爽快に目覚めさせるだけでなく、夕方まで皮脂量分泌を抑え清潔に保つことができるのです。
<胸部皮脂量の変化>
<背中部皮脂量の変化>
興梠 真紀(こおろきまき)