都市研コラム都市研コラム

「浴育※のすすめ」(4) 親子入浴の意義 
~将来に役立つ、安全で快適な入浴に関する知識とは~

※浴育とは・・・「入浴を通じて生涯の心身の健康をより良く育むために、入浴の効果や入浴方法、お風呂の楽しみ方を学ぶこと」


 今回のコラムでは、親子入浴の意義の1つである「子どもに入浴方法を教え、入浴習慣を身につけること」について、ご紹介したいと思います。
 「親」にとって、親子での入浴の意義はどのようにとらえられているのでしょうか。都市生活研究所の調査によると、親子入浴は、「親子コミュニケーションの機会」と「子ども入浴方法を教え、入浴習慣を身につける機会」の両方を重要と考えていることがわかりました。(詳細は、都市生活レポート「親子入浴に関する実態調査2010」参照)


 現在、冬期には高齢者の入浴中の事故が多く、その理由としては、寒い浴室で熱いお湯に浸かることによる急激な血圧変動が原因の1つとして考えられ、入浴環境の整備が求められていますが、熱いお湯を好む等、過去からの入浴習慣も影響している可能性が高いと言えます。調査でも、親世代も「入浴は親に教えられた」という人が6割を超え、子ども時代の入浴習慣が大人になってからの入浴習慣の基礎となることからも、子どもと一緒に入浴する親が、具体的に、どのような入浴方法を実践し、子どもに教えていくか、は非常に重要であると言えます。

20100621_1.jpg

 将来に役立つ、安全で快適な入浴に関する知識をまとめると以下のようになります。

20100621_2.jpg


 調査では、親は、子どもの入浴について、入浴の目的として体を清潔にすることだけでなく、体を温めることを意識し、お湯に浸かる入浴方法を実践していることが分かりました。しかし、体を温めるための具体的な方法になると、浸かっているお湯の温度が冬場は高めであったり、体を温めるためには肩までつかることが必要だと思っているなど、上記のような知識を知らないでいることがわかりました。
 入浴は、子どもから大人までずっと続けていく生涯の生活習慣であり、安全で快適な入浴習慣を身につけることは、子どもだけでなく、親にも役立つと言えます。今後も「浴育」提案を紹介していきたいと思います。

興梠 真紀

このページの先頭へ