みなさん、こんにちは。日本の暦(こよみ)の上で最も暑い8月が過ぎましたが、いかがお過ごしでしょうか?今年の夏は全国各地で40℃以上の気温が観測された猛暑でしたが、夏休みをとって、リフレッシュし楽しんだ方も多いと思います。
夏といえば、全国各地で多くのお祭りがあります。お祭りには、神輿(みこし)がつきものです。神輿を見ているだけで、お祭り気分になりませんか。神輿をかついで「わっしょい」「エッサ」等と声をあげて揺らすのは、神の霊を揺り動かして活性化させる意味もあるそうです。神輿の起源にはいくつかの説があります。代表的な説は、狩猟や採集による移住を繰り返した時代に行われた収穫祭の祭壇を起源とするものです。また、古代ユダヤのアーク(聖櫃(せいひつ))と日本の神輿が似ていることから、古代ユダヤの文化が日本に伝来したものとする説もあるそうです。古代ユダヤのアークは、モーゼの十戒が刻まれた石板を収めた金箔の箱で現在に至るまで行方不明であり、米映画「インディージョーンズ レイダース/失われたアーク(1981年)」の題材になりました。お祭りで神輿を見ながら色々と想いをめぐらしても、面白いのではないでしょうか。
ここで、東京ガス(株)都市生活研究所が最近行った集合住宅居住者を対象としたコミュニティに関わる意識・実態調査から、「近隣地域でのお祭り・イベント」について紹介したいと思います。まず、過去1年以内に、近隣地域のお祭り・イベントに参加したことがあるか聞いてみました(図1)。最も多いのは女性30代で、3割以上がお祭り・イベントに参加しています。一方、最も少ないのは男性20代で、お祭り・イベントへの参加率は1割未満でした。20~40代女性の参加が比較的多いのですが、子どもと一緒に参加しているのではないでしょうか。
次に、今後の参加意向を聞いたところ、お祭り・イベントに参加しなかった人と参加した人では、今後の参加意向が大きく異なることが分かりました(図2)。参加しなかった人で今後参加したい人は18.3%、参加経験者で今後参加したい人は65.7%と、お祭り・イベントの参加経験者は今後の参加意向がとても高い傾向でした。
一度訪れたお店に何度も足を運ぶ人をリピーターといいますが、基本的に満足感が高い経験を得た時にリピーターは生まれるそうです。お祭り・イベントに参加すると、その場にいないと分からない素晴らしい経験をするのかもしれません。
更に、今後の参加意向を性年代別に比較しました(図3)。女性20代が最も多く47.1%、続いて女性30代が35.1%と、女性の若年層でお祭り・イベントへの参加意向が高い傾向がみられました。注目すべきは男性20代で、過去1年以内の参加率は1割未満と低いにも関わらず、3割以上が今後参加したいと答えています。20代男性・女性は、参加率と比べ、今後の参加意向が2割以上高いことが分かりました。
お祭り・イベントに参加しなかった人について、今後の参加意向を性年代別に比較すると、男性30~60代、女性40~60代は、いずれも参加意向が2割未満と低い傾向がみられました(図4)。中高年層になると、経験していないことに対して積極的にやろうとせず、知らず知らずのうちにチャンスを逃しているのかもしれません。
図3.近隣地域のお祭り・イベントへの今後の参加意向(性・年代別比較) | 図4.お祭り・イベントに参加しなかった人の今後の参加意向(性・年代別比較) |
お祭り・イベントに限らず、日頃やってみたいと思っても、なかなかできていないことは何かありませんか。実際にやってみたら、事前に思った以上に良かったと思うことはないでしょうか。祭りを使ったことわざで、「後の祭り」という言葉があります。大辞泉(国語辞典)によれば、①祭りのすんだ翌日、②時機遅れでむだなこと、手遅れの2つの意味があるそうです。大切なことはチャンスを逃して後の祭りにならないように、日々を過ごしていきたいものですね。