生活の中で、「食事が楽しみ」という人も多いと思いますが、「食事づくり」についてはどうように思っているのでしょうか。
首都圏在住の既婚女性への調査によると、約9割の人が食事づくりをしていると回答していますが、約半数の人は食事づくりを楽しめていないようです。
さらに詳しくみてみると、子供の有無により食事づくりに対する意識の違いがみられ、子供がいない人に比べて、子供のいる人は食事づくりを楽しめておらず、約20ポイントの差がみられました。
未就学児をもつ既婚女性に調理について聞いたところ、毎日、食事を作らなければならないと感じていたり、子供から目が離せないので落ち着いて食事づくりができないそうです。このような義務感や、育児に追われてあわただしい生活で、時間や気持ちに余裕がなくなってしまったことにより食事づくりを負担に感じる人も少なくなく、楽しめない理由のひとつと考えられます。
食事づくりの負担を軽減する方法は数多くあり、利用されている方も多いようですが、例えば「買ってきて、すぐ食べられる」商品やサービスだけでは、時間短縮や省力化はできても、家で料理をしなければならないという義務感の解消や食事づくりの楽しみにはつながらないかもしれません。
「独身時代は料理が好きだったけど、今は落ち着いてできないから嫌いになった。」「毎日、メニューを考えるのが苦痛。メニューさえ決まれば料理するのは面倒ではない。」といった声も聞かれ、料理が楽しくないと感じている人も、必ずしも料理をすることが嫌いであったり、料理をしたくないわけではないようです。食事づくりは毎日のことだからこそ、調理の時間や手間の省力化だけでなく、食事づくりを楽しめる環境づくりが求められているのかもしれません。
都市生活研究所 荻原 美由紀