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団塊ジュニア男性が求める書斎とは

 30代は持ち家住宅の取得時期である。実際に、分譲住宅の取得者の半分は30代である。
 彼らはどのような住まいを求めているのだろうか。
 今回は、特に男性に着目したい。
 家の取得時期に、男性は書斎を持つことが多い。(書斎を持っている人のうち63%)現在はパソコンの所有が増えたことから、パソコンの置き場所を書斎と呼ぶことがあり、住まいに自分の居場所がある男性は増えているといってよいだろう。
 彼らが書斎に求めるものは何か。ここ1~2年以内に持ち家をした男性に話をきくと
 このような答えが返ってきた。
「他は妻が決めたけれど、唯一のこだわりは、書斎を和室にしたことです。畳は気持ちよい。」
「ごろごろしたいので、書斎の床材は畳にしたい。落ち着くから」
 彼らが、自分の居場所に求めることは、楽な姿勢と床材の特徴から得られる心の沈静である。実際に、住まいに和風要素を求めることは女性よりも多く、他の年代と比較しても、その割合は高い。インタビュー調査では和風要素というと畳をあげた男性が多いことから、30代男性に、書斎として畳の部屋を提案することが差別化の可能性にあるのではないか。机と 革張りの立派な椅子という従来のイメージをそのまま提案するだけでは、彼らのハートはつかめない。
 畳などの和の文化は、感覚を通じて若い世代に引き継がれていくのではないか。

男女別、住まいに求める和風要素、洋風要素比較グラフ

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