もうすぐ4月になり、学生は新学期が始まる。受験を終えてほっとしているご家庭も多いと思われるが、中学受験期の子どものいる家庭では、子どもに対して何を気をつけているのだろうか。
都市生活研究所が2009年2月に実施した調査によると、中学受験期のお子様を持つ母親がお子様のために気をつけていることは、「うがい・手洗いをさせている」「栄養バランスに気をつけている」などの体調管理のほか、「子どもとできるだけ話をするようにしている」「子どもと会話をしながら食べるようにしている」が上位にきており、「家族揃って食べるようにしている」も含め、子どもとのコミュニケーションにも気をつけていることがわかる(図1参照)。勉強に関係する項目としては、「受験までのスケジュール管理をしている」が入っているが、それ以上に会話を通して子どもとのコミュニケーションを大事にしようとする気持ちが伺える。
「受験期」と言うと、子どもの成績や進路に強い関心が向いていそうであるが、同調査によると、中学受験期のお子様を持つ母親が「現在の生活の中で重視していること」は図2のとおりであり、「子どもが健やかに成長すること」「子どもがマナーなど一般常識を身につけること」がほぼ100%であり、「子どもの成績」「子どもの進路」も重視されているが、それ以上に健やかな成長や一般常識を身につけることを重視しており、その実現のために、お子様との会話を大事にしているのではないだろうか。
近年の情報化社会の進展により、メールなどのコミュニケーションツールも充実しているが、家庭でのコミュニケーションとして、会話をすることの重要性は失われていない。