新学期が始まり、毎日のお弁当作りに精を出されている方も多いのではないでしょうか。ここ数年、お弁当の中身をアニメなどのキャラクターの形に模して作る「キャラ弁」が注目され、大型雑貨店ではキャラ弁専用グッズのコーナーが設けられています。また、自分でお弁当を作る若年男性も増えており、雑誌やインターネットなどでは「弁当男子」の特集記事が多く見かけられます。都市生活研究所の調査によると、20代男性の21.2%が自分のお弁当を作っています。
この手作り弁当ブームの背景には、体に良いものを食べたいといった健康への関心や、景気の影響による節約の意識があると考えられます。特に、若年層は、将来に備えて貯蓄や節約をしたいという意識から、自炊をしている人が多いようです。
また、料理に好意的である人が多いことも、若年層に手作り弁当が流行る理由の一つであると考えられます。年齢が若くなればなるほど、「料理が上手くなりたいと思う」、「料理ができることはカッコイイ」と考える人が多くなっています。
手作り弁当は、「健康になりたい」、「節約したい」という表面的なニーズだけでなく、この「料理が上手いのはカッコイイ。だから料理が上手くなりたい。」というニーズも満たしているからこそ、生活者の心に響き、ブームとなったのでしょう。
未曾有の不況といわれる今日においては、顕在的なニーズを満たすだけでなく、このような潜在的なニーズや複数のニーズを満たす提案が、消費につながる鍵になると考えられます。
河内 亜沙美