2000年を境に、日本の共働き世帯の数は片働き世帯の数を上回っています(内閣府「男女共同参画白書・平成22年度版」)。このような就業形態の変化は、家庭での家事のやり方や家事に対する考え方にも、影響を及ぼしていることが考えられます。
家事を夫と妻が分担することは以前から行われていましたが、近年は「夫が仕事をし、妻は家事をする」というイメージは薄れ、男性が家事をすることも当たり前のように考えられるようになっています。「ダンカジ」(男性の家事)という新しい言葉が生まれるなど、家事に対する男性の関心も高まっているのではないでしょうか。
家庭の状況は様々であるため、家事を分担するのがよいかどうか、また何割の家事をどちらが担当するとよいかには、正解がありません。都市生活研究所より6月に発行した都市生活レポート「家事分担の意識と現状2011」では、家事の分担割合ではなく、妻が「現在の家事分担状況に満足しているかどうか」を切り口として、妻が感じる「夫婦の円満度」を調査しています。
すると、妻が家事分担の状況に満足している場合は、妻が感じる「夫婦の「円満度」が高いということが分かりました。
家事分担の状況に妻が満足している場合は、妻が感じる円満度の平均は86%となっており、家事分担に不満である場合の平均61%を上回っています。さらに、家事分担に満足している場合の約3割が「円満度は100%」と回答しており、「0%」との回答はみられません。
また、家事分担状況に満足している夫婦について調べたところ、以下の3つのポイントが特徴的であることがわかりました。
1.夫が主体的に家事に参加すること。妻に頼まれてから動くのでは、効果が薄い。
2.妻がしたくないと思っている家事を夫が行なうこと。
具体的には「風呂掃除」「ごみ出し」「食事の後片付け」の3つ。
3.夫も妻も、お互いに、相手が家事をしてくれたことについて感謝の言葉をかけ合うこと。
家事を分担することには、単に家事作業の負担を分け合うこと以上の意味があるようです。
その他、都市生活レポート「家事分担の意識と現状2011」では、2002年に行った家事に関する調査と比較しながら、家事分担のほか、妻の家事意識や家事行動の現状、家事負担軽減商品の導入状況、家事の外部化サービスについての最新データを報告していますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。