東京ガスの家族の絆・お弁当メール」篇というCMは、毎日息子のためにお弁当を作るお母さんが主役なのですが、放映を始めた直後から「泣けた」という声を多数いただきました。
お弁当と言えば、数年前に「キャラ弁」もずいぶんと話題になり、作り方の本やホームページ、お弁当作りグッズ、毎日のキャラ弁をアップしたブログなど、ある時期さまざまなものが出てきました。
東京ガスの「食の生活110番Q&A」でも、お弁当の話題は何回も取り上げています。(「お弁当」で検索)
そのお弁当ですが、作るのはとても大変です。毎日のお弁当だったら献立や栄養バランスを考えなければいけないし、運動会や遠足のお弁当は特別なハレの場だからフタを開けたときのワクワク感を出してあげたい。ふだんの食事より盛り付けのテクニックも必要で、限られた空間に詰め込みすぎないよう、一方スカスカすぎて移動中に動いてしまわないようほどよい量で、汁気のなるべく出ないものを冷めてから詰める・・・・。お弁当ならではの知恵がいろいろ必要で、キャラ弁ではない普通のお弁当ですら大変です。
そんな手間のかかるお弁当、お母さんたちは喜んで作っているのでしょうか。
CM「家族の絆・お弁当メール」のように、毎日毎日手間をかけて?
・・・・否。やっぱり本音は大変だと思っている人が多いようです。
昨年の調査で、自分以外の人のお弁当を作るのは40代が一番多い、という結果が出ました。
特に40代後半の既婚女性は、週に3~4日以上、つまりほとんど毎日作っている人が半数以上です。
そして、同じ方々に料理をすることについて質問した結果が次のグラフです。
料理は義務と感じている人の割合が高いのも、同じ40歳代の方々でした。
「お弁当の思い出」とネット検索すると、東京ガスのCMのような心温まるエピソードも多数出てきますが、想像を遥かに超えるお弁当がいろいろと出てきてビックリすることもできます。「梅干し1個の日の丸弁当」「冷たいカレーがかかっていた」などは序の口で、「焼きそばだけがギッシリと固まって入っていた」「おはぎ2個だけ」「缶詰がそのまま弁当箱の中に」「ソーメンだけ」などなど・・・・。寝坊をしてしまったり、おかずに悩んだ挙句、そんなビックリ弁当を作ってしまったお母さんたちが多数。
そんなお弁当に悩むお母さんたちを少しでも楽にしてあげることはできないでしょうか。
日本のキッチンは近年、目覚ましい進化を遂げています。傷がつきにくく清潔に保つことができる天板、日本の調理器具を考慮して隅々まで気を配った収納、食後の手間を省き環境にも優しい食器洗い乾燥機。それでもどうにもできないことは、まだ残っています。
それは広い調理台。アメリカのホームドラマに出てくるような広々とした調理台は、そもそもキッチンが広くなくては無理で、つまりは家が広くなくては実現が難しいもの。東京ガスのCMでも、お弁当を詰める場所は調理台ではなく、別のテーブルです。
お弁当づくりは、朝食と同時に進行することも多い作業なので、朝食の支度やら食器やらも同時にキッチンに登場します。アメリカのキッチンぐらい広い作業台があればいいのに、と思っているお母さんは実は多いのではないでしょうか。それが無理なら、画期的に効率的な作業台があれば・・・・。
「コミュニケーションが生まれるキッチン」「動きに無駄のないキッチン」「簡単に片付くキッチン」・・・・。様々なコンセプトで作られるキッチンが増えている中、「お弁当がつくりやすいキッチン」はいかがでしょうか。ニッチな市場ですが、潜在的なニーズはかなり高いはずです。それに、お弁当が作りやすいキッチンであるならば作業性バツグンで、普段の食事の支度もしやすいはずですから。
伊藤 千春