みなさん、こんにちは。
関東地方も入梅ですね。外に出るのも億劫な季節です。今回は少し前のことですが、春のキャンプのお話です。気持ちまで湿ってしまいそうな季節に、このコラムが一服の清涼剤になればと思います。
4月の山梨県道志村。今回はお天気にも恵まれました。集まったのは、いつもの仲間たちです。午後の4時すぎから、一杯やりながらドラム缶に薪をくべはじめます。このドラム缶の焚き火こそ、私たちにとって重要なベースとなります。暖房であり、厨房であり、そして語らいの場となるリビングルームなのです。
焚き火が少し落ち着いたら、少しずつ料理を始めます。手始めはソラマメの焼き物です。先ずは、前菜。といったところでしょうか。遠火でじっくり仕上げたソラマメの香りを楽しみながらビールが進みます。
少しずつエンジンが掛かってきました。続いては、椎茸の焼き物です。今回は、香り付けにウィスキーを垂らします。味付けには醤油を少々。まさに東西文化が椎茸の中で融合しています。
気が付くと、周囲が薄暗くなってきました。ランタンが辺りをやわらかく照らしています。明るすぎる都会の生活で疲れた目を優しく癒してくれます。
続いてアヒージョの登場です。調理はアヒージョ名人にお任せです。国産ニンニクとアヒージョにぴったりのこだわりオリーブオイルを使います。焚き火の上でフライパンを器用に動かしてマッシュルームがツヤツヤに仕上がっていきます。文章で表現しきれないのが残念ですが、口の中で滑らかにころがっていく食感です。
さぁ、ここからは本日のメインディッシュ!神戸牛の網焼きです。最高のお肉を塩と胡椒だけで味付けします。夕暮れ中で森に帰っていく鳥の鳴き声をBGMにパクリッ!
う~ん。旨い!このシチュエーションでこの味覚。これ以上の説明は野暮というものです。
炎を眺めながら、その炎で調理をする。少し昔ならば当たり前の日常の風景ですが、現代の環境ではなかなか経験するのは難しくなってしまいました。旬の食材を、おいしい調味料で、素敵なシチュエーションで、気が置けない仲間と一緒に、そして本物の炎で調理する。そんな炎も、食材を暖めるだけでなく、調味料のひとつになったり、料理を照らしてくれる照明になったり・・・。色々な要素が重なり合って、最高のディナータイムになりました。よく言われることで頭ではわかっているのですが、おいしい食事は単に味が良いということだけではありません。このキャンプに来ると、あらためて炎と食の奥深さを実感します。
梅雨が明けたら本格的なアウトドアシーズンに突入です。次回は何をつくろうか。今から思いを巡らせています。