ゆめぴりか、森のくまさん、くまさんの力、という名前を聞いて何のことだかわかりますか?ピンと来た方、お米に詳しい方ですね。そうです!これはお米の品種の名前なんです。
これまでは、おいしいお米といえばコシヒカリ、特に新潟県産のものがその代表とされていましたが、最近では、おいしいお米の勢力図が新潟中心から次第に変化してきているようです。
日本穀物検定協会が毎年実施しているお米の「食味ランキング」では、お米の評価のエキスパートがお米の外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価の6項目を評価し、審査してランキングをつけています。平成24年度産のお米のランキングでは、なんと、熊本県産の「森のくまさん」が最高評価となりました。僅差ながら、熊本県産ヒノヒカリ、佐賀県産さがびより、栃木県北産なすひかりが同率2位で並びました。
この他にも北海道産の「ゆめぴりか」も一昨年から登場し、特Aランクを取ったおいしいお米として有名ですし、「ななつぼし」というのも同じく北海道産で特Aランクを獲得しています。このように、今までは栽培が難しいとされてきた暑い地域や寒い地域でもおいしいお米が収穫されるようになってきました。長年の品種改良の末に、コシヒカリにも劣らないおいしいお米が新たに生まれてきています。
それぞれのお米によって、味や特徴も違っています。合うおかずも変わります。お米屋さんで見かけたら、ぜひ一度食べて、みなさんの好みに合ったお米を探してみてください。
ところで、新しい品種が次々と生まれているお米ですが、現在、ご飯よりもパンや麺類を好むという、いわゆる「米離れ」が叫ばれ、一人当たりのコメ消費量は年々減少しています。しかし、2013年8月に都市生活研究所が発行した都市生活レポート「現代人の食事情2013 ~ご飯の食べ方・炊き方の実態~」によると、好きな主食メニューのトップはやはり「白いご飯」で、毎日ごはんを食べたい人は年代を問わず、約7割いるという結果でした。
これを見ると、必ずしも日本人はご飯が嫌いになったわけではないようです。パンや麺類など、他の主食も好み、食べるようになったため、結果としてご飯の消費量が減ってしまったということでしょう。特に、夕食には全年代を通してご飯を食べる割合が高いようです。「夕食の主食にはご飯を食べる」のは、様々な食材が溢れる現代においても変わっていません。ご飯は私たち日本人の日々の生活に欠かせない主食なのですね。
新米が出揃って、ごはんがおいしい季節になってきました。みなさんも、自分の好みのお米を探していただいて、ふっくらおいしい新米を楽しんでください。
炊きたてのおいしいごはんの香りは、きっと家族みんなを幸せな気分にしてくれるはずです。