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年中浴室を清潔に保つ?浴室乾燥を使って年中浴室をカビ抑制

 前回は浴室乾燥機を使うと浴室内のカビ抑制に大変効果があることを述べました。今回は冬期および夏期における効果に関して、触れたいと思います。

 カビ成長のメカニズムについて以前のコラムで触れましたが、ポイントは「水分」の早い除去です。しかしながら、冬期は一般には浴室内の温度は低くなり、入浴後の浴室内には中間期より多くの水滴、いわゆる結露、が壁面に付いており、温度が低い訳ではなくカビは十分成長するという報告もあり注意が要ります。また日本の夏期は高湿であり換気のみでは結露を乾燥させるのに長い時間がかかってしまいます。そこで、冬期および夏期における浴室乾燥とカビ抑制の実験(1)を行ない、中間期と比較してみました。

 中間期、冬期、夏期における浴室内のカビ成長を図1に示します。中間期の浴室内の床面下部におけるカビ成長を1.0とし、それぞれ同一の場所でのカビ成長を比較したものです。冬期・夏期において上部下部ともにほぼ同一な値となっており、中間期と同様、カビ抑制に効果があることが分かりました。これは寒く結露が多くなる冬期や高湿の夏期においても一定の抑制効果が得られることを意味します。

「中間期、冬期、夏期における浴室内のカビの成長」に関する調査結果グラフ
図1 中間期、冬期、夏期における浴室内のカビ成長

 壁面の結露を拭う方法もありますが、入浴直後は浴室内の空気中に大量の湿気があり取り分け夏場は大変不快ですし、壁面には上部までしっかり結露が付いていることが多く、その作業は大変です。またドアなどを開放しっぱなしにすると、水蒸気は脱衣室にどんどん流れ、十分換気空調されないと湿っぽさが抜け切れません。ここは浴室乾燥を上手く使って浴室を年中清潔に保ちたいものです。

(1):中間期、冬期、夏期の外気をそれぞれ20℃・50%、5℃・30%、28℃・70%一定とし、毎日1hのモデル入浴直後にガス温水式浴室換気乾燥を1h連続運転させた。

都市生活研究所 相澤 芳弘

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