1日の3分の1以上という長い時間を費やす「睡眠」。しかし、時間に追われることの多い現代社会において、睡眠時間は年々減ってきています。
総務省がまとめた06年の『社会生活基本調査』によると、1日の平均睡眠時間は7時間42分で、調査を開始した86年から男女ともに減少傾向にあります。
こうした現状の中で、快適で健康的な毎日を過ごすためには、限られた睡眠時間で、いかに質の高い睡眠をとることができるかが、ますます重要になってくると言えます。睡眠の質の向上のためには、温度・湿度、寝具・着衣、光、音、色、香りなど様々な要素があります。その中で、近年、自分の身体にあった枕や布団・マット選びをする人が増えており、注目を集めているのが「寝具」です。
東京ガス都市生活研究所の調査によると、「普段、平均的に使用する敷き布団の洗濯・乾燥の行動について」を聞いたところ「自宅で天日干し乾燥のみを行なっている」と答えた方が約7割という結果を得ました。次に、その人たちに「あなたがお使いの体の下に敷く寝具は清潔だと思いますか(冬期)」と聞いたところ、年代が下がるとともに「そう思う」「ややそう思う」と答えた方の割合が減少する傾向が見られ、70歳以上では、78.5%であるのに対して、20~29歳では、46.2%に下がりました。このように、年代が下がると、天日干しだけでは満足できない人が見受けられます。
「寝具」による睡眠の質の向上は、自分の体にあった寝具を探しだし、それを使用することが、その解決の第一歩だと言われていますが、こうした調査結果から実態を踏まえるとともに、人は睡眠中にコップ一杯分もの汗をかくと言われていることを考慮すると、「寝具のお手入れ(乾燥)」方法にも、今後、注目していくべきではないでしょうか。