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省エネなライフスタイルとは?

 都市生活研究所で3年毎に行なっている定点調査で、最も顕著な変化が見られる傾向のひとつに、「環境意識の高まり」がある。
 「豊かな生活のためならエネルギー消費量の増加はやむをえない」と回答した人の割合は、最近12年間で約8割から6割へと20ポイントも減少した。「照明をこまめに消すようにしている」、「空調の温度設定を弱めにするよう心がけている」と回答する人も着実に増え続けている(図1)。

 これらの結果だけを見れば、生活者の暮らしは確実に省エネに向かっているように思える。しかしその一方で、車や家電製品の使用率はなかなか減らず、毎日入浴する人や毎日髪を洗う人の割合はむしろ増え続けているという現実もある(図2)。
 さらに、入浴に関してはこの20年でバスタブのサイズも格段に大きくなり、シャワー設備も充実した。したがって入浴1回あたりに使用されるお湯の量も確実に増大している。
 環境配慮のためとは言え、照明やエアコン設定に少々気を配る程度の努力はできても、大きな快適性や利便性までを犠牲にすることは難しいということである。
 入浴のためのエネルギー需要が増大する中で、高効率な給湯設備や断熱性の高い浴室や浴槽の普及が強く望まれる。

図1 Q照明の電気はこまめに消すようにしている


図2 Q1週間に何回入浴しますか(冬)


 ところで、入浴に関わるエネルギー消費を減らしたいと思う場合は、お湯に浸かる時間を減らしたり、バスタブでなくシャワーのみを使うことが必ずしも有効とは限らない。お湯に毎日ゆっくり20分以上かけて浸かれば、体の表面だけでなく深部や隅々まで温まり、冷え性緩和や基礎代謝の向上につながる。その結果、暖房の設定温度を下げやすくなる可能性があるからである。真の省エネ性を判断するには、間接的影響も含めた効果を視野に入れる必要があり、本当に難しい・・・。

早川 美穂

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