浴室をリラックス空間として重視する人が増えている。新築住宅では、以前に比べると浴室の広さは広くなり、また浴室設備も充実してきている。最近戸建住宅を新築した人へのインタビュー調査でも、浴室空間を広くとったという人は多かった。その中で、主に女性に見られた傾向として、浴室よりも洗面室を重視する層も見られ、今後は、洗面室の充実が求められると予測される。
浴室隣室空間(=浴室への入り口がある空間)のことをどう呼んでいますか?アンケート調査によると、7割が「洗面室、洗面所」、3割が「脱衣所、脱衣室」という結果であった。
呼び名が示しているように、浴室隣室空間ではさまざまなことが行われている。同じアンケート調査によると、浴室隣室空間ではさまざまなことが行われているが、大きく分けて入浴前後の着脱衣、洗濯、身だしなみ行為の3つに分類できる。
分類ごとに求められるニーズは異なり、洗濯については機能性が求められる。一方で、身だしなみ行為全般については、情緒的な価値が重視される。このような異なる価値を求める行為を同じ空間で行なうために、現状の洗面室は雑多なイメージの空間となりやすい。洗面空間(身だしなみ行為を行なう空間)と家事空間(洗濯を行なう空間)、を視覚的に分離することによって、洗面空間はより居心地の良い空間に、家事空間はより効率的な空間にすることが可能になるのではないだろうか?
興梠 真紀(こおろきまき)