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目指すは、年齢よりも若く

 近年、女性むけファッション雑誌の創刊が相次いでいる。各雑誌がターゲットとする女性の年代は、かつての20代・30代だけでなく、40代(光文社 STORYなど)や最近では50代(集英社 eclatなど)に拡大しているほどである。
各雑誌の表紙モデルをみると、不思議なことに気づく。主たるターゲットとなる年代よりも、少し若い年齢の女性を採用している場合が多いことだ。(30代後半から40代むけ雑誌のPreciousは、小雪を起用)
「同じ年齢なのに、こんなに綺麗」という女性を使わない理由は何なのだろうか

 都市生活研究所の調査では、自分はまわりから年齢より若く思われていると回答する女性は年齢が高くなるほど多い。また、50代では高齢者を70代からと答える人も多く、若さへの自信と自覚が伺える。ある雑誌には、おばさんの基準として、年齢をきかれたときに、すかさず「何歳にみえる?」と聞き返すことがあげられていた。つまり、多くの女性にとって、「若い」ことは、よきことであり、かつ自慢できることであるようだ。

 アンチエイジングを目指した数万円の高額クリームの好調な売れ行きや、まつげエクステやネイルアートなどの人気の高さなど、女性の若さや美しさを維持するための努力は続いている。

 現代の女性誌の表紙モデルは、「年齢のわりに若くて綺麗」ではなく「年齢よりも若くて綺麗」であることを目指す女性の気持ちを反映したものになっているのではないか。


年齢が高くなるほど、若いと思われていると感じている(女性)

年齢が高くなるほど、若いと思われていると感じている(女性)

中塚千恵

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