夫婦別室就寝についての調査結果を、都市研コラムその1(2008年1月7日)・その2(2008年6月30日)・その3(2008年10月27日)でご紹介してきましたが、今回は寝室の使われ方について、別室の方と同室の方では違いがあることをお伝えしたいと思います。
「寝る」以外の寝室利用時間 ~夫婦別室就寝者の寝室は、長い時間使われている~
別室就寝者の寝室の「寝る」以外の利用時間は、明らかに夫婦同室就寝の場合よりも長くなっています。(図1)は別室就寝者の寝室の休日の利用時間ですが、男性の40%以上、女性の25%以上の人が寝室を4時間以上利用しています。平日ではやや短くなりますが、それでも男性の約26%、女性の約20%の人が4時間以上の利用です。
図1 夫婦別室就寝者 : 寝る以外の寝室利用時間8〔休日〕
一方、同室就寝者の場合は、休日でも男性の50.5%、女性の37.9%が「寝る以外では利用しない」と答えており、別室の人に比べると寝る以外での寝室利用は少ないようです。
寝室をどう使っているか ~夫婦別室就寝者の寝室は、寝るだけではない「個室」~
では、長い時間滞在する寝室で、どのように過ごしているのでしょうか。(図2)は夫婦別室の方の寝室と、同室の方の寝室にあるものを比較した結果です。
図2 寝室にあるもの
夫婦別室の寝室は、「机・椅子・テレビ・オーディオ・パソコン・本棚」の項目で同室の場合よりも高い設置率となっています。ここから、別室就寝者の寝室が寝るためだけではない、「個室」または「書斎」的な部屋であることがわかります。
次に、(図3)はこの寝室で「寝る」以外に行なうことです。(図3)
図3 夫婦別室就寝者 : 寝室で寝る以外に行なうこと
男性は(1)パソコン(2)テレビ(3)読書であり、その他に仕事・勉強も多く、書斎的に使われていることがわかります。女性は(1)読書(2)パソコン(3)電話となっていますが、携帯メールや手芸、肌の手入れ・化粧、家事など多彩な活動が行われていることがわかります。
今後寝室で行ないたいことを伺っても、男女とも「音楽・読書・テレビ・パソコン」などがあげられ、「個室」として利用したい意向が伺われます。
しかし、なぜリビングなどではなく、寝室で行なうのでしょうか。それについては、「一人静かに楽しめるから」と答える人が多く、他の人と共有しない一人の活動を、誰にもじゃまされずに寝室で行ないたいという希望があることがわかります。
夫婦別室就寝の方の中には、お子さんが独立された後の子ども部屋に、夫または妻のどちらかが移って使っているというケースが少なくありません。「子どもの子ども部屋」だったところが、「大人の子ども部屋」となっているのです。誰にもじゃまされずに安眠でき、自由気ままに過ごせる「大人の子ども部屋」、ちょっといいなと思う方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。