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数値では測れない良さ

 12月を迎え、クリスマスの季節がやってきました。年々早まっている印象のあるクリスマスイルミネーションですが、今年も様々なスポットで華やかに行われています。最近では、街中だけでなく、個人の住まいにもオーナメントやイルミネーションが多く見受けられ、クリスマスの思い出のひとつになっているのかもしれません。

 諸外国においても、イルミネーションをはじめとしたクリスマスを祝う装飾がみられますが、調査によると暖炉が根付いている国では、「暖炉にまつわる思い出」のトップがクリスマスとなっており、暖炉は寒い季節に楽しい思い出をつくり、身も心もあたためてくれる存在のようです。(2009年海外暖炉調査)


 以前のコラムでもご紹介しましたが、暖炉は暖房としてだけでなく、クリスマスのような家族で楽しむ場やインテリア等の価値が評価され、その良さは炎がもたらすものと考えられます。暖炉を導入した理由の上位にも炎の良さが挙がっており、視覚的要素がもたらす情緒的な価値が高く評価されているようです。

ガス暖炉を導入した理由
図1 ガス暖炉を導入した理由


 近年、設備機器の高機能化により、暖房機器にも様々な機能が搭載され、省エネ性などの機能の高さを数値の大きさで競い合っているようにも感じられます。一方で、生活者の54%が家電製品の機能を使いこなせておらず、機能を表す数値の意味や良さがわからないといった声も聞かれます。
 日本でも暖炉を設置する家庭が増えていますが、機器の機能が過剰傾向になる中、例えば、炎などがもたらすような数値では測れない「情緒的な良さ」が評価されるポイントになるのかもしれません。

荻原 美由紀

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