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日本人と外国人ママの安全に関する考え方の違いから~子どもの安全とマークについて~

 日本では1960年以降、子どもの死亡原因の第1位は「不慮の事故」によるもので、2008年の厚生労働省の人口動態統計データでは、1,017人のお子さんが不慮の事故で亡くなっています。
今回は、事故と関係深い安全に対する日本人ママと外国人ママの考え方の違いと安全性に関するマークについて紹介します。
 NPO法人NCOS(Nippon Consumers Voice for Standards)が、小学生以下の子どもを持つ、首都圏在住の日本人ママと神戸地区在住の外国人ママを対象に実施したアンケート調査(2006年~2007年)のレポート[子ども用品の安全に関するアンケート調査報告]に興味深い結果がありました。(*アンケートの主な設問は、「二段ベッド」、「自転車用ヘルメット」、「ママチャリ」、「ベビーカー」、「おもちゃ」、「衣類」の6品目を購入する際の意思決定に関する要因と、商品の安全性の確認方法、情報収集の方法に関するものでした。)
 「商品を購入する際に最優先に考慮する項目」について尋ねたところ、日本人ママ、外国人ママの両者とも『安全性』が最優先で、特に外国人ママは『安全性』のみ重視の結果が得られました。一方、日本人ママは『デザイン』や『使い勝手』、『価格』にも考慮に入れて選択していることがわかりました(図1)。次にこの「商品を購入するときの『安全性』の確認方法」について尋ねると、日本人ママでは『安定性』が一番で、『形状品質』、『マーク』の順でしたが、外国人ママでは『マーク』が一番で、『安定性』『形状品質』の順でした(図2)。


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 子どもの安全に関係するマークとしては、SGマーク、STマーク、BAAマークなどがあります。SGマークは、(財)製品安全協会が策定した安全性に関する認定基準に合格した製品に付与するマーク(Safety Goods)です。STマークは、(社)日本玩具協会が策定した玩具安全基準に基づいて付与するマーク(Safety Toy)です。 BAAマークは、(社)自転車協会が策定した自転車安全基準に適合した自転車に貼付されるマーク(BICYCLE ASSOCIATION APPROVED)です。これらは、ある安全性に関する基準に適合した際に付与できるマークです。外国人ママの場合、商品の説明等の表示が日本語だけで書かれているものが多いため、下記のようなマークが意思決定の際に重要な役割を果たす結果がアンケート結果にも表れたものと考えられます。


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 NPO法人キッズデザイン協議会でもマークを使った子どもたちの安全に関する取り組みをおこなっています。それは、子どもたちの安全・安心に優れたデザインを持つ製品にキッズデザインマークを付与する顕彰行為を通じて、そのような商品を広く社会へ普及させるものです。今年で4回目を迎えたキッズデザイン賞は、現在下記のサイトで募集を開始しております。子ども目線で考えた優れたデザインを持つ商品をあなたも応募してみませんか。


【参考】
第4回キッズデザイン賞について

青山 勝博

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