都市生活レポート「健康・美容に関する生活者の意識」(2010年11月発行)から、「健康・美容」の捉え方や重視点についてご紹介してきましたが、(2010年12月、2011年4月)、今回は引き続きこのレポートの中から、「健康・美容の悩み」について特徴をお伝えしたいと思います。
図1、図2は「健康美容に関する悩み」を男女別にグラフ化したものですが、男女ともに「悩み」とする人が多いものとして「眼精疲労・目の疲れ」「疲れ・だるさ」があります。特に「眼精疲労・目の疲れ」については、男性60代でやや少ない以外、性別や年代に関係なく「悩み」と感じる人が多くなっています。あらゆる場面でパソコンや情報端末を扱うことが増加している今の社会状況においては、「眼精疲労・目の疲れ」はある意味現代病とも言え、今後も多くの人々の悩みであり続けるのではないでしょうか。
男女による「健康・美容の悩み」の違いをみると、前回ご紹介した「健康美容に関して重視すること」と同じように、女性の方が全体的に「悩んでいる」という回答の割合が高くなっています。
男女の差が大きいものとして、「シミ・しわ・肌のかさつき・肌荒れ」といったお肌のトラブルに関する項目とともに、「貧血・肩こり・冷え性・むくみ」といった血行不良に関連の強い項目がありますが、これらの項目は女性の中でも若い年代ほど「悩み」となっています。血行不良の原因としては、低血圧、運動不足、ストレスによる自律神経の乱れ、ダイエットによる栄養不足などがあり、冷房の効いたオフィスで働く女性にこの悩みが多いであろうことは、容易に想像できます。女性に人気のある、岩盤浴やホットヨガ、薬膳料理などは、体を温め血の巡りを良くする効果が高そうという期待感が、魅力となっているといえるでしょう。
一方男性に特徴的な項目としては、20代を除いた年代で、「生活習慣病」「メタボ」」「薄毛」の悩みが女性よりも多くなっています。「生活習慣病」の悩みは年齢とともに高くなっていますが、その原因ともなり得る「肥満・メタボ」の悩みは40代で特に多くなっています。これは40代が、体型や体力の変化から健康への心配が出始める年代だからではないでしょうか。
また、「薄毛」に関しては比較的若い年齢から悩んでいる人がみられ、男性の見た目にとって頭髪が重要な位置を占めていることがわかります。
20代男性については、前回ご紹介したとおり、外見の向上を重視する人が多く、そのために他年代の男性と比べて「肌荒れ」を気にする人が多くなっているようです。
健康美容の悩みを改善するための商品やサービスは次々と発売され、常に人々の話題に上っています。いつの時代にもその時代を象徴するような健康グッズや健康茶、美容クリームなどが登場していることを考えると、どんなに素晴らしい商品が開発されようとも、健康美容に関する悩みは永遠不滅であり、ひとつが改善されると次の悩みが気になってくるというように、私たちが一生付き合うものなのではないかと思います。それならばせめて、明るく悩みに向き合えるよう、気持ちを前向きに保ちたいものです。