都市生活レポート「浴室・洗面室リフォームの現状とニーズ」では、リフォームをよく行っている年代である50-60代を対象に浴室・洗面室リフォームの実態やニーズについて、様々なデータを掲載しています。今回はレポートの中から、洗面室のデータをご紹介します。
「リフォーム前後の洗面室の設備の変化」をみると、「シャワー付き洗面台」「カウンター一体型洗面ボウル」「ミラー収納」「三面鏡」などの採用率が高くなっています。「シャワー付き洗面台」や「カウンター一体型洗面ボウル」は掃除がしやすく、髪を染めるのもやりやすいと、評価されています。また、「ミラー収納」や「三面鏡」は鏡の面積が広く、洗面室が広く見えることも評価されています。
次に「リフォーム後の変化でうれしかったこと」をみると、全体的に女性の方がうれしかったことを沢山挙げています。その中で、50-60代の女性では「お化粧をしやすくなった」がトップに挙がっています。これは、「ミラー収納」や「三面鏡」の採用で、化粧品の収納ができたり、三面鏡で横顔などがよく見えるようになって、お化粧をしやすくなったためだと考えられます。
お化粧というと、最近、3倍大きく映る手鏡が年配の方を中心によく売れているという話を聞きました。視力が落ちてきて、お化粧をするにも細かい部分が見えにくいのかもしれません。また、建築家と洗面室の明かりの話をしていた際に、白熱灯と蛍光灯を両方つけて場合によって使い分けると良い、ということを聞きました。白熱灯のオレンジ色の明かりの元でお化粧をすると自然光では濃くみえてしまい、逆に蛍光灯の青白い明かりの元でお化粧をすると、照明が暗めなレストランなどではのっぺりとした印象になってしまうため、シーンによって使い分けるのがベストというわけです。
洗面室は住宅の中では小さいスペースですが、お化粧をする、洗濯する、着替えるなど、毎日の生活で多くの役割を果たしている場所ともいえます。「お化粧のしやすさ」一つをとっても、大型で見やすい鏡の設置や明かりの取り方など、工夫次第で大きく改善できる余地のある空間だと感じました。
年末の大掃除できれいに磨いた水廻りを、より使いやすくするために、まずは洗面室の照明を見直してみようと思います。