梅雨の季節になりました。梅雨どき、洗濯物の乾燥はどのようにされていますか。都市生活研究所が昨年行った調査(都市生活レポート「ファミリー世帯の洗濯と乾燥2013」)では、夏・秋は室内干しをする頻度は低く、春・冬はやや多め、梅雨時は高い割合で室内干しが増えることがわかりました。いよいよ本格的な「室内干し」のシーズンが到来したわけです。
しかし、意識としてはなるべく室内干しはしたくないと考えている人が大多数です。その理由を年代別に見ると興味深い結果となっています。
どの年代でも、室内干しをしたくない理由としては「洗濯物がカラッと乾かないから」が一番高くなっていますが、「洗濯物から臭いが出るから」「調理などの臭いが洗濯物につくから」の項目については、若年層が高く高齢層が低いという年代差が顕著に表れた結果となりました。20代と60代で比べると、どちらも倍以上という大きな開きとなっています。
ニオイの傾向は、洗剤の選び方にも年代差の特徴として表れています。
「好みの香りの洗剤を選ぶか」という問いに対して「いつも意識して選んでいる」と答えた割合は、20代は60代の4倍と、こちらもかなり差がある結果となりました。
今でこそ洗濯用洗剤に香りがついていることは当たり前になりましたが、数年前までは無臭あるいは微香性のものがほとんどで、外国製の香りが強いものは日本人の好みに合わない、などと言われていたこともありました。それが、まずは柔軟剤でかなり強い香り付きのものが普及し始め、柔軟剤から日常の洗濯用洗剤も香り付きが当たり前となり、最近はおしゃれ着用洗剤にも拡大してきています。今回の調査の20代の結果を見ると、それは今後の時代の傾向を捉えた流れであると感じています。
けれど、実は香りというのはなかなか扱いが難しく、そういった洗剤を使ってもずっと洗濯物に残せるとは限らないようです。洗剤に限らず、香りがちゃんと残るような、あるいはイヤなニオイを完全に消せるような機器や道具、洗濯・乾燥方法などが開発されれば、まだまだ普及する可能性はあるのではないでしょうか。今後も若年層の「ニオイへのこだわり」をターゲットにした商品は増えるのではないかと思います。若年層ではなくても、「香りに気をつかう」のはオシャレな習慣ですね。
梅雨の季節はクールビズの季節でもあります。そこで、自分で選んだ香りの洗剤で、ちょっとラフなクールビズのシャツを洗濯してはいかがでしょうか。「梅雨時の洗濯」という家事の気分を少し上げられる上に、"シャツのカオリ"を職場の若い人に気付いてもらえるかもしれません。