11月22日から12月1日まで第43回東京モーターショーが開催されていました。
ハイブリッド車や電気自動車、将来の燃料電池自動車と、環境にやさしい車のラインナップが増加しているだけでなく、近未来のモビリティ社会の提示など海外で開催されるモーターショーとは一味違ったのではないかと思います。また、近年のガソリン価格の上昇といった経済的な影響もユーザーにとっては切実な問題で、今後ますます環境にやさしい車へのニーズが高まってくるのではないでしょうか。
というわけで今回はガソリンに関するデータを一つご紹介します。
一都三県の男女20代~70代約700人が回答した、ガソリン、ミネラルウォーター、牛乳、それぞれ1リットル当たりの価格イメージを度数分布でまとめたものが図1です。
ミネラルウォーターや牛乳では、イメージする価格帯が複数のグループに分かれています。これは商品ブランドやサイズによって価格帯が差別化されていて、ふだん購入している価格が嗜好によって分かれているようです。
一方、ガソリンの価格イメージはほぼ150円・160円に集約されています。そして調査時点でのレギュラー/ハイオク価格に一致しています。ガソリンは、ミネラルウォーターや牛乳と違い、商品ブランドによる価格差がほとんど無いこと、また、購入頻度にかかわらずニュース等の情報から常に価格が意識されている、といったような差がありそうです。
レギュラー価格とハイオク価格、それぞれイメージする人の割合はおよそ半々となっていますが、もう少し詳しくデータを分割してみたところ興味深い傾向がありました。
図2は、価格イメージが大きくずれている回答を除いて、100円~200円の範囲内で回答した人について性年代別に集計した結果です。
性年代別に見てみると、レギュラー価格とハイオク価格、それぞれイメージしているグループの構成メンバーが違っていることがわかります。
ハイオクグループはシニア層が中心となっています。
この傾向は特に女性に強く見られ、ハイオクグループでは相対的に少ない20代30代女性が、逆にレギュラーグループでは中心となっています。
一般的に、外車や高級車、高性能車はハイオク指定が多いのですが、この回答傾向を見ると、やはり外車や高級車のユーザーは、シニア層が中心なのかとあらためて実感してしまいます。
とはいえ、男性のハイオクグループでは20代も健闘?しており、スポーツタイプの高性能車や外車のユーザーなのかもしれません。
また、男性レギュラーグループが女性と違って40代を中心に広がっていることは、ファミリーカーユーザーを想像できます。さらに、そのほかの要因として、女性に比べて仕事で車を利用している人が多いのかもしれません。営業車でハイオクというケースは少なそうです。
実際の物価ではなく、生活者がイメージしている価格。
このようなデータひとつ見ても、様々な暮らしの様子が想像できますね。