新年あけましておめでとうございます。2014年がスタートしました。本年も都市研コラムをご愛読いただけますよう、よろしくお願いいたします。
寒い日が続いておりますが、年末年始のお休みで体調など崩されていませんでしょうか。
さて、西高東低の気圧配置で晴天が続く関東の冬で気になるのは「乾燥」です。そこで、冬のある一日の我が家の温度/湿度を測定してみました。
まずは、こちらのグラフ(図1)をご覧ください。
外気の温度/湿度をあらわしています。ここで、湿度の数値を見て、アレッと思うかもしれません。「湿度が50%くらいあるじゃないか。全然乾燥なんてしていないじゃないか。」
しかし、ここで注目していただきたいのは、そのときの温度です。
空気中に存在できる水分量は、温度と相関関係があります。冷たい水が入ったコップの表面に結露が発生するのは、コップの表面温度が低いためにコップ周囲の空気が冷やされて、空気中の水分が気体の状態でいられないために結露水として出てきてしまうという現象もこの原理で発生します。つまり温度が低いと、空気中の水分量は非常に少なくなります。
こちらのグラフ(図2)をご覧ください。
このグラフは、相対湿度が50%の時に空気温度ごとに含まれる水分量を表しています。縦軸の絶対湿度とは、1kgの乾燥空気中に含まれる水分量(kg)のことです。グラフからわかるように、夏の30℃・50%と冬の5℃・50%では、空気中に含まれる水分量は全く違うのです。
さらに最近の住宅には、24時間換気という装置がついています。高気密化した住宅におけるシックハウス対策として、2時間で住宅内の空気を1回入れ替える量を自動で換気しています。この24時間換気システムを通して、冬は外から水分が少ない空気が家の中に入ってきます。
そんな水分が少ない空気を暖房で温めるとどうなるでしょうか。こちらのグラフ(図3)をご覧ください。
エアコンで暖房をした勉強部屋の温度/湿度です。暖房によって部屋の温度は暖かくなっていますが、湿度は20%を下回る時間帯もあります。
このような乾燥した環境で長時間過ごしていると、肌が乾燥したり喉が痛くなったりと、トラブルの原因になります。また、家にとっても過度な乾燥は、壁紙や木材などの建材に悪影響をあたえます。
昔はストーブなどの燃焼式暖房(ガスや灯油などは燃焼するときに化学反応で水蒸気が発生します。)が多かったため、またストーブの上に置いたやかんなどで、程よく加湿がされていました。
現在は、燃焼式ではない暖房を使用することが増えており、また24時間換気により絶えず水分が少ない空気が室内に入ってくるため、意識して加湿をする必要があります。しかし、加湿のしすぎは、窓枠などの温度が低いところに結露が発生してしまいますので、結露防止グッズなども活用しながら40~50%程度の適度な加湿をすることで冬の乾燥を乗り切りましょう。
簡単な温湿度計ならば安価に入手することができますので、自宅の湿度をチェックしてみるのも良いかもしれません。