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家ではスマホ派?パソコン派?

 最近では多くの人が持つようになった情報機器。今、皆さんはこの記事を何の機器でご覧になっているでしょうか。スマートフォン?ノートパソコン?また、どのような場所で閲覧されているでしょうか。
 今年4月21日のコラム「リビングは我が家の○○基地」で取り上げたデータからは、リビングで小型の情報機器(スマートフォンなど)を使う割合が高いことがわかり、居心地の良い場所で情報を受発信することが容易になってきた実態を窺わせました。ですが、リビングでの機器使用割合は年代や性別によってかなり差が見られました。
 今回は、性別による違いや特徴についてのデータを取り上げたいと思います。

<データ出典:生活分野別定点調査2013(2) 2014年1月>


 まず、「各情報機器を『リビング』で使用する割合」を見てみましょう(図1)。なお、本調査において所有者数自体が比較的少なかったタブレット端末は除いています。
 全体として、どの機器も男性より女性の方がリビングで使うことが多いようです。また、性別による差が最も大きい機器はデスクトップ型パソコンで、その差は約14ポイントあります。次いで携帯電話、スマートフォンと続き、ノート型パソコンでの性差は6ポイントとなっています。同じパソコンでも、デスクトップ型とノート型とではリビングでの使用実態は異なっているようですね。


図1.各情報機器をリビングで使用する割合


 次に「各情報機器を『自分の部屋』で使用する割合」を見てみましょう(図2)。こちらの回答は自分の部屋を持っている人に限られるため全体的な値は低くなっています。
 自室で機器を使う人は、リビングとは逆に女性よりも男性の方が多いようです。しかし、男女の差が最も大きい機器がデスクトップ型パソコンである点は、リビングと共通しています。


図2.各情報機器を自分の部屋で使用する割合


 どの機器についても「リビング」では女性が、「自分の部屋」では男性が、より高い割合で使用しています。本調査の別設問「自宅で最も好きな場所」では、「リビング」は女性がより多く、「自分の部屋」は男性がより多く回答しています。この結果と併せると、多くの人が自宅内の最も好きな場所で情報機器を使用しているという実態が見えてきます。


 また、デスクトップ型パソコンに関して言えば、スマートフォンやノート型パソコンに比べて重量が大きい上に配線の手間もあります。そのため、特定の場所に据え置いたまま使用されているご家庭がほとんどでしょう。「パソコンを使うための専用の部屋がほしい」と考えている男性は女性の2倍近く多いという結果が得られていることからも、パソコン専用部屋を兼ねて自分の部屋にデスクトップ型パソコンを設置している男性が多く、上のグラフで男女の差が大きくなったと考えられます。好きな場所に簡単に持っていくことができるか、1つの情報機器で様々な用途に対応できるか、という要素が機器使用の男女差に与える影響は小さくないのかもしれません。


 近年、情報機器はどんどん小型化・軽量化・多機能化してきています。現在広く普及しているスマートフォンだけでなく、タブレット型パソコンの販売や腕時計型(ウェアラブル)情報端末の開発も行われています。これから先、どのような機器が普及し、私たちの暮らし方はどのように変化していくのでしょうか。分析する側としても、一使用者としても、今後の動向が楽しみです。


本橋惟子

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