梅雨明けとともに暑い日が続いていますが、街行く会社員の姿を眺めるとすっかりクールビズスタイルが定着してきた様子です。温暖化対策は近年急加速しており生活環境を取り巻くなかで様々な取り組みが行われてきましたが、生活者の意識への浸透も着実に進んできているようです。
生活者の環境問題への意識について都市生活研究所で行った調査では、「環境問題」=「地球温暖化」とイメージする人が最も多いという結果が出ています。(2008年4月14日のコラム)
また、「社会として解決すべき環境問題は何か」という問いに対しても、「CO2排出量の増加」「気温上昇」が高いポイントを示しています。一方で、このような環境問題にどのように貢献していくべきかといった考え方については、「快適性を犠牲にせず環境貢献をしたい」と考える人のほうが多いという結果になりました。
この結果は、「環境は大切だが自分のライフスタイルよりは優先度が低い」といった正直な気持ちの表れといえるかもしれません。また、「環境に対する貢献度と自身の犠牲度が簡単には比べられないから」ということも十分に考えられます。
現在、CO2排出削減に向けたライフスタイルへの変革が危急の課題となっていますが、これまでの生活者への取り組みは、ともすれば「わかりやすさ」を優先した画一的なライフスタイル訴求をしてきたという面も否めません。
例えば「冷房は28度」といった行動は、多数の人が集まるオフィスや店舗といった場所では意味がありますが、家庭での行動では必須ではないかもしれません。
ライフスタイルの多様化が進むなか、そもそも犠牲にできる快適性は人それぞれ異なってくるはずですので、例えば「組み合わせは自由だがトータルでどの程度の犠牲を負担すればよいのか」といった指標など、「判断のしやすさ」が、ライフスタイル変革の次ステップに向けた重要な要素となってくるのではないでしょうか。