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生活者のこだわりとは? ~こだわり層に関する調査より~ 2

 前回のコラムでは、生活者にとってのこだわりとは必ずしも「モノ」ではなく、手間や時間をかける行為や、これらの行為を充実させる空間であることをご紹介いたしました。今回は、手間や時間をかける行為や空間について、みてみたいと思います。


 生活者の約半数がこだわっているモノやコトがあると回答していますが、こだわりを実現している場所については約8割もの人が住まいの中で実現しており、こだわりの実現に関して「住まい」は注目すべき場所といえるでしょう。

こだわりを実現している場所
図1 こだわりを実現している場所

 住まいの中でこだわりを実現している人を対象として意識や行動を分析したところ、こだわりを実現するための商品やサービスを入手して終わりではなく、繰り返すことで「継続している」ことがわかりました。この繰り返しによって、こだわりが日常化して、日々のくらしに定着し、住まいの中にこだわりが入り込むのではないかと考えられます。

住まいにこだわりが反映されたタイプの行動サイクル
図2 こだわり層の行動サイクル

 さらに、住まい全般にこだわりが反映されている層は、行動サイクルの中で他人に見せたり、自慢するなどしてこだわりを「表現」したり、他人と一緒に「体験して共有」し、「情報を発信」していることが特徴的にみられました。他人に見せたり、情報発信に対する反応を得ることが、さらにこだわりを充実したり、継続する要因となっているのではないかと推測されます。

住まい全般にこだわりが反映されたタイプの行動サイクル
図3 住まい全般にこだわりが反映されたタイプの行動サイクル

 生活者にとって「こだわりの実現」とは、単にこだわりたい行為の実現だけでなく、プロセスや結果を共有したり、表現・発信することも含めた一連の行動を繰り返して、「こだわりを実現している」といえるかもしれません。つまり、住まいは住む人のこだわりを通して他人とつながり、外へ開いていくものと考えられます。
 こだわりを実現する住まいには、他人と共有・体験できる空間の提案が求められるのではないでしょうか。

荻原 美由紀

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