気温が高く湿気も多い梅雨時は、においが気になる時期です。近年、家庭の中のにおいについて対策をとる人が多くなってきています。2009年10月13日のコラムでも紹介しましたが、都市生活研究所で3年おきに行なっている生活定点観測調査によると、空気清浄機を「よく使っている」人の割合は1993年の12.6%から2008年の25.7%へ大きく増加しています。
また、衣類などの消臭剤(ファブリーズやリセッシュなど)の利用も広く行われており、各商品はクルマ用、ペット用、部屋用、置き型など様々なバリエーションを展開しています。
これらのにおい対策機器や商品の使用は、20~30代の若い年齢層で多くなっており、若い人ほど嫌なにおいを排除したいと思っていることがわかります。(図1)
一方で、衣類洗濯用の洗剤や柔軟剤において、「良い香りが長続きする」ことを謳った商品が多く見られるようになっていますが、これらの商品についても、若い年代ほど使用が多くなっています。(図2)
化粧品類では無添加・無香料が支持され、自然素材のアロマオイルを楽しむ人も多い現在、外国製で匂いがかなり強いタイプのものまで含めて、これらの柔軟剤が人気を得ていることはやや意外な感じを受けます。彼らにとっては、多少人工的であっても洗濯後の衣類やタオル類から良い匂いがするということが、価値が大きいことなのでしょう。
嫌な臭いは消し、良い匂いをつける。道行く人々が皆ほのかに良い匂いがするようになるのであれば、それはちょっと嬉しいことかもしれません。
木村康代