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現在の40代が求める「ちゃんと」とは?~家事は無理せず、合理的にこなしたい~

 前回のコラムでは、都市生活レポート「40代のライフスタイル ~現在の40代が求める「もっと」と「ちゃんと」とは~」の中から、現在の40代は「今も将来も、自分の人生を『もっと』充実させたい」という意識を持っていることをご紹介しました。
 現在の40代は「自分のやりたいことを最大限にやりたい」と思っていますが、その他のことをないがしろにしている訳ではなく、「家族や社会と折り合いをつけて『ちゃんと』暮らしたい」とも考えています。
 「ちゃんと」暮らしたいというニーズは「規則正しく節度を持って暮らしたい」「家事は無理せず、合理的にこなしたい」の2つから成っています。今回のコラムでは40代既婚女性に特徴的な傾向が見られた「家事は無理せず、合理的にこなしたい」というニーズについてご紹介します。


家事は「ちゃんと」、でも合理的にこなしたい 40代既婚女性
インタビュー調査から、現在の40代既婚女性は「一家の主婦として、しっかりと家のことを行い、夫や子どもを支えるべきだ」という規範意識を持っていることがわかりました。食事の品数をそろえるべき、家族の健康のために栄養バランスに気を使うべきと、考えているようです。


インタビュー調査のコメントより


 しかし、「家事はちゃんとすべきだ」と考える一方で、すべての家事に完璧に取り組んでいるかというとそうではない様子。「家事は、無理をしてまでやりたくない」と考えていることがわかりました。


家事は無理をしてまではやりたくない

 インタビュー調査からは「できれば手際よく、すばやく家事を済ませて、自分のことをしたい」という声が聞かれ、お掃除ロボットや食洗機、冷凍食品などを使って「家事は合理的に済ませたい」と考える40代の姿がありました。「夜ご飯は1品は嫌だ。2~3品作る。お惣菜を買ってくることもある。(46歳・既婚女性)」という声に代表されるように、上手に家事を省力化しながら、自分なりに「ちゃんと」した家事の体裁を整えていることが伺えます。実際に、出来合いのお惣菜の利用頻度を見ても、40代が最も高くなっています。

出来合いのお惣菜などを利用すること 夕食

 自分のことも、家族や社会も、どちらもおろそかにしたくない現在の40代。40代が持つ「最低限これはやっておくべき」という基準を満たしながらも、時間や手間を省くことができ、自分のやりたいことをする時間を作れる商品やサービスが求められているようです。


 また、昨年度に実施した都市生活研究所の調査からは、年代だけでなく、家族構成や就業形態などのライフステージによって、家事に対する意識が大きく異なることがわかりました。
 例えば、洗濯の時間や手間を省きたいと思う理由一つをとっても、単身者は「面倒だから」、子育てママは「洗濯物の量が多いから」・・・と様々。また、同じ子育てママでも、共働きでは「時間の制約があるから」、専業主婦では「光熱費を節約したいから」が上位の理由になっています。
 家事の合理化志向の強い40代ですが、ライフステージが多種多様な年代でもあるため、「もっと」と「ちゃんと」という40代に共通するニーズを意識しながらも、子どもの年齢や働き方などを考慮に入れた提案をしていくことが大切なのではないでしょうか。

河内 亜沙美

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