日本の産業界は省エネや技術革新を推し進め1973年度から2022年度までのエネルギー消費量の増加を1.1倍に抑えました。しかし、同じ期間の家庭での消費量は家電製品の普及などによって約1.8倍に増えています。
そして、日本全体のエネルギー消費量の約6割は、私たちが生活で消費するモノやサービスを作る過程で排出されています。
石油を原料にして製品を作っているのは企業ですが、それを使うのは私たち。製品を買えば買うほど工場からのエネルギー排出量も増えるのです。私たちの生活を変えれば、この6割という数字はもっと減らせるはず。
一人ひとりの使うエネルギーは少なくても、国民全員が使えば膨大な量。私たちの生活を少し見直すだけで、日本は大きく変わるのです。
大量にCO2を出しているのは大企業だと思うかもしれません。でも、カーボンフットプリントで見てみると、日本のCO2排出量の約6割は私たちの「住居」「移動」「食」「消費財」「レジャー」「サービス」の過程で排出されているのです。
出典:環境省「令和6年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」より作成
カーボンフットプリントは直訳すると炭素の足跡。つまり、製品の原材料調達から生産→流通→使用→廃棄・リサイクルまでの過程で排出されるCO2量のことです。どの過程でどれくらいCO2が排出されたかが分かれば、さらに減らすための対策を考えることができます。