日本の産業界は省エネや技術革新を推し進め1973年から2020年までのエネルギー消費量の増加を0.9倍に抑えました。しかし、同じ期間の家庭での消費量は家電製品の普及や核家族化などによって約1.9倍に増えています。
そして、日本全体のエネルギー消費量の約6割は、私たちが生活で消費するモノやサービスを作る過程で排出されています。
たとえば、石油を原料にしてビニール傘といった製品を作っているのは企業ですが、それを使うのは私たち。私たちがそうした製品を買えば買うほど工場からのエネルギー排出量も増えるのです。私たちの生活を変えれば、この6割という数字はもっと減らせるはず。
一人ひとりの使うエネルギーは少なくても、国民全員が使えば膨大な量。私たちの生活を少し見直すだけで、日本は大きく変わるのです。
大量にCO2を出しているのは大企業だと思うかもしれません。でも、カーボンフットプリントで見てみると、日本のCO2排出量の約6割は私たちの「食」「住居」「移動」「消費財」「レジャー」「サービス」の過程で排出されているのです。
出典:環境省「令和3年版 環境・ 循環型社会・生物多様性白書」より作成
カーボンフットプリントは直訳すると炭素の足跡。つまり、製品の原材料調達から生産→流通→使用→廃棄・リサイクルまでの過程で排出されるCO2量のことです。どの過程でどれくらいCO2が排出されたかが分かれば、さらに減らす対策を考えられます。